酒井 沙織
Saori Sakai -“ORI×Installation”-

2009.9/14(月)〜19(土)
平日12:00pm〜19:00pm 土曜日12:00pm〜16:30pm

大阪市のイベント、水都アート回廊/水都大阪2009と共に、
(大阪を象徴する歴史的建造物とアート作品がコラボレーション。)
http://www.suito-osaka2009.jp/
大阪が紡いできた“時空間”を作品と共に体験ください。


「嗚呼、愛すべきマモノ」

マモノが居ル。 あぁ、そこに居ル。
マモノは隙間に居ル。 何かとズレた隙間に居ル。
ヒトリではヒトツでは存在しない。
モノとモノの間を示す。
ヒトとヒトの間を示す。

マモノを勝手に恐れてはいけない。
よく眺めなくてはいけない。
マモノは忌むべき存在か?
見るに堪えない姿形か?
その姿は、隔たりを恐れる各々が生むのだ。
その存在は、曖昧なサカイメが誤魔化すのだ。

マモノは何かと何かをつなぐモノ。
至らなくても、構わない。
その存在を見つけたら、
その先の何かに向って、誰かに向って、
やりとりを始めよう。
タイトルとしての「嗚呼、愛すべきマモノ」/
マモノはまぼろし、実際には見えない。
片方でゆたかなこの場所では、
ナイことは悪。
だからマモノを恐れる。

未熟。
興味も、関心も、実感も、自らのコトバもない。
それは、与えられるものばかりで、
隙間を埋め続ける結果。

ならば、隙間は開いている、のがいい。
たくさんのものが通って、流されて、くっついて。
自分から、そのかたちを確かめたい。
削って刻まれて、つくったかたち、
それが身につくこと。それがわたしたちの実感となる。

マモノは何かと何かの隙間ではじまりのキッカケをつなぐ。
だから居て、欲しいと望む。

その存在を織る そして出現するマモノ

織ることは自らの体で、居ることを確かめること。
それは、自らの手で触りたい欲求。

理性のシロクロ、二択を超えるための、感情と想いのアカ。
それぞれの触感で、存在の重さを示すこと、
少々の矛盾も超えていくための色。

マモノはいつも、誰かと何かを求める隙間で、動き続ける、ヒトを表す。

【―“ORI×Installation”―】について。
技法→織、素材→糸 × インスタレーション
“ori”こだわり、“ヲリモノ”の造り手と 、
技法×インスタレーションで存在を表す表現“ORI×Installation”
履歴
酒井 沙織 Sakai Saori

略歴 1982 生まれる。
2005 近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース卒業
2007 広島市立大学院 博士前期課程 芸術学研究科 造形計画専攻 修了
現在 広島市立大学 芸術学部 デザイン工芸学科  染織造形専攻 非常勤助教

グループ展 2005 2人展          (ギャラリーコラージュ 同時代ギャラリー・京都)
2006 「色々・素材まみれ 魅せたい 翔びたい!」展 (ドットアートコスモ・大阪)
2007 「色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!」展 (ドットアートコスモ・大阪)
2008 「イロ・ソザイまみれ うみだす!魅せる!」展 (ドットアートコスモ・大阪)
  「Korea Japan textile exhibition」 (徳成女子大学校・韓国)
2009 「ツクリタイ衝動 ! オドロキ魅せる ! まみれ」展 (ドットアートコスモ・大阪)

公募展 2005 新匠工芸展 入選  
2008 京展 入選  
第54回 全関西美術展 入選  
ておりや創業30周年記念 公募展「織・表現としての手仕事」 入選
2009 京展入選  
第55回 全関西美術展 入賞(全関西美術展賞)  
ART
■「光の思いで 2」
2005
4900×2700
綴れ織
綿糸・羊毛・麻糸・アクリル・レーヨン・
直接染料・酸性染料

いつも近くに存在する風景、
その風景にわたしも取り込まれたい。
遠くの月からそそがれる光に包まれ、
景色の一部となれたように感じた。
その光の暖かさと大きさを扇形の綴、
織りで表現しました。
■「この事実が欲しかった」
2007
930×2450
綴織
直接染料 麻 綿

自分について頭で考えただけではわからない。
自分の身に何がついているのか。
見せかけだけではないものを自分の身体感覚にも聞いて知り、
綴織で作品をつくる。
そこから得るものは、ただ自分は自分であるという事実。
嘘であろうと本当であろうと。
それを持って日々を生きる。
そこには確かな力を感じる。
■「自ラヲ 自ラト 呼ブ 背ナカ」
2008
1100×3300×4枚
綴織
ビニロン レーヨン 麻 直接染料
 
自己実現の不安とのぞみ
その姿をだいじにおもおう。
自分のも、皆のも。
そこにいる。
その姿をみつめたい。
きっと自分がモレている。
足りないと感じても、
そこだけはずっと無防備で。
■「ミエナイトリデ」
2009
900×4000
綴織
ラミー麻、綿糸、ウール、反応性染料、酸性染料

ヒトが知らず知らずのうちに、築いてしまっているトリデ。
それは外からの介入を防ぐため、自らの陣地を守るため。
だけど、あまりにうまく造りすぎた。
出口も入り口も、自分でさえも気付けない。
もう、ここから出たいのだけど。
誰かに助けてほしいのだけど。
展覧会風景